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2017年2月18日 (土)

それを言っちゃ~終しめ~よ~

今は亡き渥美清さんの「寅さん」映画によく出てくるセリフに「それを言っちゃ~終しめ~よ~」というのがあります。最近の世の中での出来事、たとえば米大統領選や英国のEU離脱の国民投票、欧州各国に見られる保護主義というか本音ばかりを主張する傾向の出現に、思わずこの寅さんの決めセリフ「それを言っちゃ~終しめ~よ~」と言いたくなります。

この寅さんの「それを云々~」の「それ」は何かというと、「本当のこと、本音」を意味します。映画では、オイちゃん、オバちゃんたちが「寅さんは落ちこぼれ人間」と思っていても、それは承知のうえで、暖かく迎え入れています。本音と建て前を使い分けているのです。そこへ、本音しか言えないタコ社長が余計なことを言い、オイちゃんたちを巻き込んで喧嘩になった挙句「それを言っちゃ~終しめ~よ~」という捨てゼリフを残して、どこかに旅立っていくのです。

人間だれしも本音で語りたいのですが、相手があれば、一方的に自己主張は控えるのが流儀です。ビジネスにおいても「本音で語り合う」のはベストかもしれませんが、こと職場においては「建前」が無用な軋轢を避け、相手の本音を酌みつつ、言わぬが花で、結果として仕事が円滑に進んでいるのも事実、どこかに余裕をもった大人のコミュニケーション手段です。

それが最近では、「本音で語り、自己主張する」風潮が強くなってきたのではないでしょうか?相手を傷つけないという配慮もなく、いままで「建前を優先」していた余裕すらなくなってきたのでしょうか?自分たちの利益だけを相手から引き出そうと本音で迫っても、お互いにとって将来の利益になるのが「建前」で、本来のゴールなのです。言い換えれば、建前はあくまで、本音で話せる関係を築き上げるまでの前提手段なのです。

政治的な「劇場型選挙」では、誰かを仮想敵に仕立て上げる手法がまかり通っています。民衆は、このアジテーションに飲み込まれ、日ごろのうっぷんを「仮想敵」にぶっつけ、まさかの選挙結果を招くことになります。社会は、お互いの気遣いで成り立っているというのに、これからは余裕を失った、コミュニケーションの幅の少ない、いきなり本音トークしかしない、他責の人が多くなるのでしょうか?

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