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2016年4月23日 (土)

人工知能と深層学習

囲碁の井山王座が史上初の七冠完全制覇を成し遂げたことは、人工知能(AI)に世界のトップ棋士が破れ、重苦しい気分が漂った囲碁界にとっては素晴らしい朗報でした。最近では公式戦24連勝という圧倒的な強さを発揮していた井山王座は、ご自身の快挙に浮かれることなく「人工知能(AI)を含め、世界には強い相手がいる」とコメントしていました。

頭脳の格闘技と言われる囲碁の世界では、中国・韓国の2強時代が続いています。もとはといえば日本のお家芸で、世界戦創設時は5連覇するほどでしたが、国策スポーツと同じく、この20年で逆転を許しました。その韓国のトップ棋士が、先月IT会社が開発した囲碁ソフトに敗れたのです。歴史的な「事件」が起きたのです。

チェスや将棋と比べ手数が圧倒的に多い囲碁では、AIがプロのレベルに達するにはまだまだ先のことだと思われていました。AIは初期ではパズルやゲームが解ける程度でしたが、その後、人がAIに情報の仕分けや判断のルールを教えるようになりました。それが、今回は「深層学習(ディープラーニング)」を利用してAIが自分でデータから関係性や特徴を割り出し考え判断するようになったのです。

ただ、対局した韓国のプロ棋士(李九段)も、勝負手を用いて一矢を報いています。囲碁ソフトは予想外の鬼手に対しては、まだまだ混乱して、悪手を連発するそうです。将棋で七冠を達成したことがある羽生名人もそうですが、他の棋士と違って、創造力に満ちた勝負手をもっています。井山王座もその点大いに期待されているところです。

もちろん私たちの想像を超えたスパコン(スーパーコンピューター)を搭載しているのでしょうが、こうした深層学習を利用して、音声や画像の認識や車の自動運転といった高度な制御や判断も実現しています。近い将来、私たちの日頃の人間関係の難しさを解き明かしてくれるコミュニケーションソフトの開発までもが可能になるのでしょうか?

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2016年4月 9日 (土)

桜といえば

春といえば桜、桜といえば花見!会社の花見会の場所取りが新入社員の初仕事という企業もあるようですが、日本人は本当に桜が好きです。今年も、桜情報のホームページはネット上に溢れ、こんなにハイテクの娯楽が蔓延している時代でも、昔ながらの花見が賑やかに報じられていました。なぜ、こんなに日本人は桜を好むのでしょうか?

それは、日本人の四季を楽しむ心であったり、気候の良さであったりするのでしょうが、なんといっても満開の見事さにあるのではないでしょうか?それに、花期が短く、一斉に散る、その散り方の潔さは花吹雪に例えられるほどです。もちろん、満開の桜の下で、公園で飲酒ができたり、お弁当がいただけるのは日本ならではのことなのです。

日本中で植えられている桜の8割は、皆さんがご存知の「ソメイヨシノ」と言われています。ソメイヨシノは、江戸時代から明治初期に、江戸の染井村で育成されたとされる「吉野桜」で、一代雑種のため、種から自然に増えることができません。種で増えないソメイヨシノは、いわゆるクローンを作り続け、他の台木に接木をして増やしてきました。

桜好きの日本人なので、古来から、桜を大切にしてきたようです。源氏物語にも「花の宴」という巻の「貴人が宮廷で花見の会を催す描写」や、歴史上もっとも有名な豊臣秀吉の「醍醐の花見」の桜も、実はソメイヨシノではありません。吉野の桜、ヤマザクラなのです。

本来の吉野の桜「ヤマザクラ」とくらべ、ソメイヨシノは成長がとても早く十年ほどで立派な樹形になり、手入れが簡単で育てやすく、葉が出る前に淡いピンクの大輪の花が一斉に咲き揃うので、見た目が非常に華やか、など多くの長所が認められて、いまや全国各地に植えられるようになりました。それが、桜といえば、ソメイヨシノといわれる所以です。

近年では、ソメイヨシノ一辺倒になりすぎたことへの反省もあり、また、生物の多様性が見直されるようになり、ソメイヨシノ以外の品種の桜が植えられることが多くなってきているそうですが、平安時代に貴族がうたったように、いつの時代も美しい桜を眺められる、そんな日本であってほしいと思います。

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