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2016年1月30日 (土)

七味、五悦、三会

年賀状は、一頃に比べ数は減ったとはいえ、年初にいただくと、やはりうれしいものです。今ではパソコンで印刷をして一括で作成することも多いと思いますが、印刷された文字だけでは何か味気ないと感じます。一言メッセージを手書きで、添え書きすることで、受け取る側の印象がガラッと変わります。

ただ、一言添え書きするメッセージは、「年賀状を送る相手との関係の中で、具体的に書く」ことがオススメです。せっかく手書きでメッセージを添え書きするのに、「昨年はお世話になりました」とか「今年もよろしくお願いします」などは、面白くもなんともなく、それこそ印刷でかまわないと思います。私が尊敬する人生の先輩からいただいた年賀状にあった添え書きを紹介します。

「江戸の昔、年寄りの間で、「七味」「五悦」「三会」という考え方があっとそうです。大晦日に一年を振り返り、七回おいしいものを食べられ、五回いいことがあり、三人良い人に会えれば、あとの350日は平々凡々でもいいと・・・。同じ年寄りとして小生もこの七五三を目指そうと思っています。」とありました。

昨年末の「よみうり寸評」にも、この七味五悦三会(しちみごえつさんえ)が紹介されていて、《江戸文化に詳しかった故・杉浦日向子さんが広めた研究といわれる》 とありました。それにしても、「今年味わった、七つの美味しいもの」、「今年感じた、五つの悦び」、「今年あった、三つの喜ばしい出会い」と、この七、五、三で、いいことを合わせて15言うというのは並大抵ではありあません。

1年に限らず、過去を振り返るときに、私たちは、そのようなこと「いいこと」よりも、苦しかったこと、辛かったことを思い出しがちです。この江戸の習慣は、「大晦日に、家族が集まり、皆に披露する」ためには、日ごろから前向きに、ささやかなことでも、自分にとって「大切なこと」、「嬉しかったこと」を見つけ、記憶にとどめておくことを求めているのかも知れません。

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