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2015年10月31日 (土)

人物とエピソード

わがチームに「伝説の営業マン」がいる、うちの部長の武勇伝はすごいよ、などと人に自慢したくなる人物がいます。あるリーダー研修で、「みんなが憧れる人物になるには、あなたのエピソードをつくりなさい」と言われたことがありましたが、確かに、そういった人物には、伝説とも言えるエピソードが必ずといっていいほど付いて回っています。

人物をもてはやすエピソードといえば、町人文化が開けた江戸時代あたりからではないでしょうか?江戸時代の商人で大成功をおさめた人物というと、 紀伊国屋文左衛門(通称紀文)が有名ですが、実際のところ、確かな資料は少なく、生没年も実在したかどうかもわかりません。おそらくこの時代に大成功した商人の人物像をつなぎあわせて作られた、のかも知れません。

そうして生まれた、江戸の町人がはやし立てた紀文のエピソードは、上野寛永寺の用材調達で投機的に巨万の富を得たこと、吉原で奈良屋茂左衛門と大尽遊びを競った話など、豪遊伝説が残っています。奈良屋茂左衛門(通称奈良茂)というのは、日光東照宮の修築で巨富を積んだ江戸深川の材木商で、豪商として紀伊国屋文左衛門と並び称された人物です。

江戸で急に伸してきた新参者の奈良屋は、先輩の紀伊国屋に敬意を表して、挨拶代わりに「一杯のそば」を届けました。人を馬鹿にするにも程があると「たった一杯のそば」に怒り心頭の紀伊国屋は、手代を総動員して、江戸中の蕎麦屋から、奈良屋にそばを届けるよう命じました。ところが、江戸中のどの蕎麦屋も店を閉めていて、1杯すら用意できませんでした。そう、奈良屋が、江戸中の蕎麦屋を買収していたのです。

といった具合のエピソードですが、事の真偽は別として、「さもありなん」と思わせる話になっています。このほか、歴史上の人物がちょっと身近になるような面白いエピソードは、たくさんあります。判官贔屓の義経伝説など、やはり自分が好きな人物を、人に語り、共感を得ることで、人々は、その人物と同胞意識をもちたがるのでしょうか?

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2015年10月24日 (土)

指導するということ

「間違いなく一番の指導者でした」とは、ラグビーW杯で3勝を挙げた日本代表のメンバーのエディ・ジョーンズHC評です。彼は12年4月に就任してから代表合宿で1日3部制の練習を取り入れるなど「ハードワーク」を選手に課しました。練習中に故障して離脱した選手に「満足に準備をせずにケガをするような選手は国際レベルでは通用しない」と容赦なく代表から外すなど、意識改革も徹底しました。

一部では“鬼軍曹”という指摘もありましたが、人望が厚かったのは、「仕事の軸がぶれず、目標設定も明確で適切」であったと言われています。彼は“W杯ベスト8”を目標に据え、そこで戦えるかどうかを選手の選考対象にしました。ですから、代表に貢献してきたベテランでも平気でリストからはずし、次々と結果を残せたから、チームに結束力が生まれたのだと思います。

折りしも、この1ヶ月前、「日本サッカーの父」と呼ばれ、多くの日本のサッカー人から敬愛されてきた、デットマール・クラマーさんが、亡くなられました。享年90歳でした。クラマーさんは、とてつもなく弱かったサッカーの日本代表チームを、先の東京オリンピックでベスト8に導きました。その4年後、メキシコオリンピックで日本が銅メダルを獲得したことはあまりにも有名です。

クラマーさんは、日本代表のコーチに就任した時、選手に基礎を徹底的に教え込んだそうです。基本中の基本である、インサイドキックから指導したというから驚きです。初歩的な練習の繰り返しに対しては批判もありましたが、方針を変えることはありませんでした。彼の名言として「指導することとは、悪しき習慣を取り除き、よき習慣を植え付けること」というのが印象的です。

サッカーのクラマーさんも、ラグビーのジョーンズHCも、あらゆる反発を押しのけ、信念を貫いたからこそ、選手はポリシーを受け継いで、一つ一つのプレーを自分で考えられるようになったと言います。ひるがえってサラリーマン社会を見渡すと、たとえ上司が“鬼軍曹”でも、軸を明確にして指示を出せば、部下は自分で考えながら結果を出すようになるのでしょうか?

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2015年10月17日 (土)

伝統を壊す

ラグビーW杯で、日本代表が世界中を驚かせた南アフリカ戦の勝利。これまで7大会でわずか1勝の日本が、過去5大会で2回優勝し、勝率でもW杯最高を誇る強豪を、FW戦から互角に渡り合いの逆転勝ち。その後も、サモア、米国を破り、にわかラグビーファンを含め、日本中を沸かせました。目標のベスト8入りなんて、とんでもないことです。

つい最近まで、サッカーに比べ、全くと言っていいほど、人気がなかったラグビーですが、根っからのラグビーファンにとっては、さぞ溜飲を下げることができたことでしょう。私も出身校がラグビーの「伝統校」ですが、国内では向かうところ敵なしであっても、海外遠征では、ぜんぜん歯がたたず、ほとんどあきらめていました。

ラグビーは、歴史や伝統を重んじて来たスポーツとして知られています。南アフリカを含む、かって「ボード国」といわれたワールドラグビー創設8カ国からみれば、19年W杯の開催地が、どうして「アジアの小国」なのか、「日本なんかで大丈夫か」という思いが当時ありました。そんな「伝統国」をアッといあわせた今回の活躍は、無理に新しい国立競技場を準備するよりも、余程、「伝統を壊す」効果があっといえるでしょう。

国内においても、過去の釜石や神戸製鋼の7連覇の時代以外は、早慶明の「伝統校」が人気を支えていました。早明戦で国立が超満員になっても、トップリーグや日本代表戦では、ガラガラだったのです。今回の快進撃の立役者といわれる日本代表のヘッドコーチ、エディ・ジョーンズ氏は、平成12年の就任当初から、大学偏重、伝統校重視の日本ラグビーに、苦言を呈していました。

それは、代表メンバーをここまで徹底して鍛えなければならない日本の育成システムのことですが、「高校から大学、トップリーグまで、実戦とかけ離れた厳しいだけの練習に終始する前近代的な日本ラグビー界の体質」を嘆いていたそうです。今回の退任にあたり、「しっかりしたプランがなければ強い代表はできない。(日本には)変化を嫌う人もいるから、これらをやり遂げることは難しいことだろう」と警鐘を鳴らしていました。

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2015年10月 3日 (土)

新しいプログラムの選択

皆さんは本屋さんで本を買われるとき、どのように選ばれていますか?やっぱり、ぱっと目のタイトルと表紙デザインでしょうか?まず、平積みされたその本を手に取り、それから、中身をパラパラめくり、「はじめに」にある著者の想いと、あとは目次を見て、買う買わないを判断される方が多いでしょうか。

新しい研修を探されるときはどうでしょうか?弊社の場合は、まずプログラムありきですので、特定のベンダーさんに拘ったりしません。講師ありきではないのです。要は、こちらの要望に応えてくれるプログラムがあればよいので、ベンダーさんが自社でなくても他社のプログラムを紹介してくれてもよいのです。

ネットで検索する場合は、先ほどの本を書店で買うときと同様、まずは、プログラムのタイトルです。そして「ねらい・概要」のあと、プログラムを見て、よさそうなものがあればコンタクトして詳細を教えてもらいます。社員研修.comのポータルサイトは、ジャンル別で数社のプログラムを比較できますので参考にすることが多いです。

新しいプログラムを決めるときは、数社のベンダーさんと打ち合わせを重ねることがあります。ベンダーさんには、こちらの状況はもとより、「何をどうしてほしいのか」を伝えています。私たちのすり合わせは、この研修に「ねらい」があって、それがプログラムに反映されているかどうかです。

私たちが、ありきたりのプログラムに満足できないのは、「何のために、この研修をするのか」を明確にしてからスタートしたいからです。言い換えれば、受講生にとって、なぜこの研修をするのか、スタート時点で、参加者全員と共有してから、本論に入りたいのです。それを頭において、業務に活かすために必要なスキルを積んでほしいのです。

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