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2015年7月 4日 (土)

得意淡然、失意泰然

座右の銘は、「常に身近に備えて戒めとする格言(広辞苑)」のことですが、人は喜怒哀楽の情動に支配される生き物とされ、これを心に留めておくと、自分の行動をコントロールできると言われています。歴史の中の名言にも、仕事や人間関係に役立つ格言が沢山ありますが、私は、自分を磨く言葉として「得意淡然、失意泰然」というのが好きです。

これは、「物事がうまくいっている時には、淡々とふるまい、逆に失意の時には、ゆったりと構えるべきである」という意ですが、中国の明時代に崔後渠(さいこうきょ)という人が書いた『六然(りくぜん)』から引用されているようです。 六然(=自處超然、處人藹然、有事斬然、無事澄然、得意澹然、失意泰然)は、幕末の勝海舟や陽明学者の安岡正篤も愛用したことでも知られています。

この「得意淡然、失意泰然」は、任天堂の岩田社長(「失意泰然、得意冷然」)はじめ、多くの偉い方が座右の銘にされていますが、私のような未熟者の場合、うまく行った時は、ついつい有頂天になり、悪い時には落胆して挫折を味わうというパターンの繰り返しです。そして、どちらかというと、得意な時に淡然と振る舞うことはさほど難しくはありませんが、失意の時に泰然と振る舞うことは簡単ではありません。

ただ、この「得意」と「失意」の場面を切り離して考えるのではなく、「禍福は糾える(あざなえる)縄のごとし 」の喩えよろしく、「物事がうまくいかなくなっても、あせらず、落ち着いて、時節の到来を持つべきだ。うまくいく得意の時代には、おごらず、つつましい態度で当たるべきだ。」と解釈すれば、少し気が楽になります。その意味では、「得意淡然、失意泰然」より、「失意泰然、得意淡然」の方が、運用しやすいのかもしれません。

英語で、これに似た格言として「Of thy sorrow be not too sad, of thy joy be not too glad.(悲しみをあまり悲しむな、喜びをあまり喜ぶな)」というのがあります。「良いことと悪いことは、より合わせた縄のように表裏一体であり、一時の幸・不幸に、深く一喜一憂しても仕方がない」ということでしょうか。

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