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2015年6月27日 (土)

IQよりEQ

人事の評価は、「人」と「事」の双方からなされます。「仕事はできるけれど、仲間と一緒に働くのは苦手」という人が、あなたの周りにもおられるのではないでしょうか?ご本人は、企業の「人材」としては申し分がないのですが、「人物」としては、いまいち、評価が得られないタイプです。最近では、「頭のよさ(IQ)」より「心の知能指数(EQ)」に課題ある人が多いといわれています。

EQとは、自分の感情を把握してコントロールしたり、他者の感情を理解、共感したりできる能力ですが、IQの高さと社会的な成功との相関関係を調査するなかで、成功を収めている人に共通する特性としてEQが注目を集めたというわけです。EQを鍛えてコミュニケーションなど対人能力を高めるための研修を導入する企業は日本でも増えています。新卒採用でも適性検査に用いる企業もあるようです。

EQテストでは、自己認識力(自分の感情を自分でわかる力)、ストレス共生(怒りや不安などを自分で鎮める力)、気力総出力(肯定的な情動を自分の中に作り出し、維持する力)、アサーション(自分の意見や判断を率直に伝える力)、自己表現力(喜びや怒りを適切に表現する力)、対人関係力(人間関係のトラブルに冷静に解決策を見出す力)、対人受容力(相手の感情状態を理解し、受け入れる力)、共感力(相手の感情を我が事のように感じ取る力)の8つの能力が試されます。

「人材より人物」といっても、今の日本は自ら商売をしている人が1割程度である社会に変わってきていることからみても、事業を興す場面を目の当たりにすることが少なくなっています。その結果、企業人のビジネス観が「商売をする」というのではなく、「会社で働く」という意識が強くなっているきらいがあり、「人材」の中からの「人物」の排出が難しくなっています。

企業の規模が大きくなると分業が進み、働く人は自部門の、更には個人の目標達成に焦点が当てられるため、どうしても全社的な視点でビジネスを捉えることが少なくなっています。「今ある役割をこねせればよい」という意識が強くなり、経営を担う一員であることの責任感が薄くなりがちです。そうした考えを防ぐには、これらEQの8つの能力を高めると同時に、今一度、働く人たちが経営を担う一員であるとの意識づけが必要だといわれています。

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2015年6月20日 (土)

マズローの欲求5段階説

アメリカの心理学者、アブラハム・マズローが唱えた「マズローの欲求段階説」は、人間の欲求は「生理的(基本的)欲求」「安全・安定の欲求」「所属(社会的)欲求」「承認(自我)の欲求」「自己実現の欲求」と5段階のピラミッド状に構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の欲求に移行するというものです。いまでもマーケティングの研修等で披露されることがあります。

マーケティングの視点でみると、必要なモノが飽和状態にある消費者に向けて、マーケッターとしては、消費者の「自分らしさの繕い」を「自己実現の欲求」とみなして、新商品の開発や、流通チャネル、メディア対策、売り場づくり、等々仕掛けることを重要としている、というわけです。
ただ、このような形の「自己実現の欲求」が、すべての人に当てはまるのではなく、必ずしもそれがゴールとは言えないと思います。

マズローの枠組みはアメリカ文化が前提であり、彼自身が普遍的モデルを志向していたにも拘わらず、結局は個人主義に価値を置く西洋的人間観をモデル化したに過ぎないという批判もあります。特に日本の場合は、個人よりチームが優先されることが一般的で、一部の個人主義の方を除いて、集団に属したり、仲間が欲しくなる「社会的欲求」や「承認欲求」が満たされないと、人は孤独感や社会的不安を感じます。

よく「日本人は農耕民族である」といわれるとおり、農耕が共同作業であったことから、共同体を築きたがる修正があるといわれています。江戸時代以降、村落で行われた私的制裁に「村八分」というのがあります。村の掟に従わない人に対し、村民全体が申し合わせて、その家と絶交することですが、のけものにされて、仲間はずれになると、人は生きて行けなくなります。

コミュニケーション研修で出てくる「ストローク理論」も、他人の存在を認知するために与える、あらゆる言動」のことですが、「社会生活の中で、人間はストローク無しでは生きて行けない」といわれています。相手を無視する「ゼロストローク」で、人から、全く関心を持たれない状態では、誰しも「承認欲求」が一番に来るのではないでしょうか。

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2015年6月13日 (土)

シンプルライフ

あなたは、毎朝着る服を決めるのにどれ程の時間をかけていますか?周囲に良い印象を与えるために時間をかけて服を選ぶ人もいれば、いつも同じTシャツGパンで通す人もいます。もちろん、研修講師の先生のように、指導する立場にある人は、ちゃんとしたスーツ姿でないと、格好がつきませんし、時と場合にもよります。
IT関係の仕事をしている人に、TシャツGパン姿が多いのは、世の中の成功者といわれる、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグなどに共通して見られるシンプルライフを真似ているのかもしれません。有名な成功者であれば、当然、人に会う機会が多いことから、ファッションには気を使っているかと思いきや、毎日のように同じ服を着用している人が多く見られるのです。

アップルの共同創始者、スティーブ・ジョブズは生前、黒のタートルネックの七分袖にジーンズ、足下はスニーカーというスタイルを貫いていました。歴代の製品発表会に現れたジョブズの写真を並べてみても、10年間、その信念が曲がらなかったことが確認できます。FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグも日々、お決まりのグレーのTシャツや、黒のパーカー、ジーンズを身にまとっています。米オバマ大統領も、常にグレーか青色のスーツを着用しています。

その理由を尋ねられて、彼らの口から揃って出てくるのは「決断の数を減らす」という言葉です。つまり、何を着るかとか、何を食べるかなど、小さな決断でもその数を重ねることによって、心理学的に「決断疲れ」が蓄積して、肝心の大きな決断の正確性が落ちてしまうためだというのです。彼らは、成功したから、そうできるのか、成功する前からそうだったのか、わかりません。

世界的に有名な美術家、篠田桃紅さんが、ロックフェラー三世のブランシェット夫人に、二度目に会った時に、たまたま前と同じチェック柄のスーツを着ておられたので、お付の人に「ミセス・ロックフェラーさんは、よほど、チェック柄のスーツがお好きなのですね」と訊ねたところ、「彼女は、お気に召した洋服は、同じものを20着ぐらいは、お作りになります。」と聞き、これは話にならないと思ったそうです。

高級ブランドを取り替え引き替え装おうという次元でなく、自分を見せびらかすという感覚がない。いつも同じ服、それでかまわなかったのです。あなたは、これらのシンプルライフをどう思いますか?

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2015年6月 6日 (土)

物を捨てる難しさ

最近、「ミニマリスト」とか「シンプリスト」いう言葉を、よく耳にします。いずれも「必要のないものを捨てて、楽しめる時間や空間、心の余裕を大事にする人」という点では同じですが、「ミニマリスト」は、最小限主義者として「主義・主張」に自ら合わせているようで、「シンプリスト」のように、シンプルライフをエンジョイするといった幅がないように思えます。

しかし、いずれも仕事上のことでなく、あくまでプライベートなことですが、それでも「物を捨てる」のはなかなか勇気がいるようです。会社でも、書類を整理することの難しさは相変わらずです。私たちは、チームで共有する資料はセンターファイルに保管していますが、それも、個人のものとなると、それぞれの考え方で、多寡が異なってくるのは当然です。

辰巳渚さんのベストセラー「捨てる!技術」は、「もったいない」で封印しない!「とりあえず、とっておく」は禁句!「“仮に”はだめ、“今”決める」を提唱されているのですが、いざ実行するとなると、「後ろめたさ」があったり、「こだわり」があったりで、「捨てるという発想」が日々、薄れていく人が多いと聞きます。

「人生がときめく片づけの魔法」で、世界で200万部の売り上げを記録し、米国では昨年10月の発売以来ベストセラーを続けているという、「こんまり」こと近藤麻理恵さんも、この「捨てる!技術」を読んだことが、「片付け」のきっかけだったとのこと。その時に実践していた片付け法は「捨てることを重視」するもので、家の中にあってもいらないもの、壊れたもの、嫌いになったものを探し続ける片付け法で、それをやっているとすごくストレスがたまったといいます。

そこで、片付けで大事なのは捨てるものではなく残したいものや、自分がポジティブな気持ちになれるものなど、「残すものを選ぶことが大事だということ」に気づいてから、片付けについての見方が変わって、自分がときめくもの、幸せな気持ちになるものを残すというメソッドに繋がった、とのこと。

米国の9.11や東日本大震災3.11以降、人々の価値観が変わってきたこともありますが、景気が回復しつつある現在のような時期には、米国でも、多くの地域で人口の伸びが近郊から都市中心部に移行し、衣料品や家庭用品の寄付が増えたり、暮らしのシンプル化傾向が強まっているようです。

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