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2014年10月25日 (土)

たたき台

辞書では、「たたき台」というと「批判・検討などを加えて、よりよい案を得るための原案」ということですが、語源としては、加治屋さんが金属を熱して叩いて成形する際に乗せる、「打ち叩く為の台」のことを指しているのだそうです。何かの案などを作るときに、ゼロから作るにしては漠然としすぎていますから、その原案となる「たたき台」を作成し、それを元に変更しながら完成形を作っていくためのもの、ということでしょう。

なのに、企画書などで、「これはまだ、たき台ですが」といって、あまりにも未完成な企画書を出してくる人がいます。本来、ほぼ完成に近い状態の企画書をもとに検討して、さらに良くなるように議論して、内容を詰めていくのが「たたき台」のはずですが、あまりにも完成度が低いものだと、たたき台にすらなりません。ご本人は、「たたき台」の意味を取り違えているのか、作成の覚悟がないのか、手抜きをしているのか、いずれかだと思われても仕方ありません。

時として、上司から依頼された企画書は、事前に、その目的や背景になるものを、よく確認しておく必要があります。それでも、すり合わせが出来ていない部分があり、相手の求めるものが、これで正しいか、途中で確認することもありです。とは言っても、完成度の高いものでないと、相手もイメージが湧いてこないので、いい加減な状態では、確認の役目を果たす内容とは言い難いと思います。

「たたき台」は皆に意見を出して「叩いてもらう」ための案、と言う事なので、作成したサンプルが、たくさんの人に指摘・修正されて、跡形もなく打ち崩れていく場合もあります。作成した側としては、ちょっと悲しいものがあるというので、作成慣れした人は、自分がベストとするところよりも、ちょっと視点の違う、レベルの低いところを内容によっては提出したりします。

しかし、それでは、「たたき台」の意味がありません。自分の考えがベストというのであれば、なにも討議して、検討をしてもらう必要がありません。考えに考え抜いて、完成度を高めた企画書が、たくさんの人に指摘・修正されるということは、自分の原案が、更に高いレベルのものに仕上がるということで、喜ばしいことであり、ありがたく思うべきだと思います。

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2014年10月18日 (土)

質問力を上げる

先日、お世話になっているベンダーさん主催の研修会に、お誘いを受けて参加してきました。内容は、若手人気講師の山本直人氏による「会話力・仕事力を高める質問スキル」という、いま旬のテーマでした。夜の時間帯での開催ですが、ベンダーさんと取引のある企業だけのクローズド・セミナーで、通常のセミナーと異なり、異業種の方とも意見交換ができ、有意義でした。

90分という短い時間ながら、「質問スキルの基本」から「質問スキルを身に付けるトレーニング」まで、ワークを交えながらのセッションで、参加者のレベルの高さも幸いして、かなり踏み込んだ質疑応答があり、特に「質問力」が弱いとされる若手社員に対する具体的な対処法を学ぶいい機会でした。この中で、いくつか気づいたことを、ご披露したいと思います。

まずは、「質問とはなんなのか?」ということです。「何のために質問するのか」というと、通常、「信頼関係を作るため」とか「仮説を立てて全体像を捉えるため」とか、「情報を集め整理するため」「最終的に結論を出すため」などといいますが、結局、その先のゴールにあるのは、「人や自分を動かすため」ではないかと、いうことです。

頑張っている新人や若手社員が、自分の商品やサービスを売るために質問をするのですが、なかなか相手を動かせないことがあります。途中で、相手との会話が途絶えたり、盛り上がらないのは、「相手を動かす質問」をしていない、ということで、上司の方は、その報告を受けて、「もっと考えて質問をしなさい」と指導されるのですが、なかなか難しいことです。

また、「考える」ということは、どういうことなのでしょうか?「考えろ」と言われても、「考えています」という答えが返ってきます。「わからないことがわからない」のが、新人や若手社員なのです。それは、ゴールイメージができていない結果であり、ただ、質問スキルを使って、漫然と相手に質問しているのかもしれません。

部下が「考えない」とお嘆きの上司の方は、その部下の方に、なぜ、そう言い得るのか?なぜ、そうなったのか?何のために、そうするのか?など、質問されたことがお有りでしょうか?質問することで、部下に「考えること」をさせてあげてほしいのです。よく言われるように、「考えること=自分に質問すること」ですから、日頃の対話の積み重ねが、上達のコツだと思います。

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2014年10月 4日 (土)

ロールモデル

辞書によると「ロールモデル」とは、「具体的な行動技術や行動事例を模倣・学習する対象となる人材」とあります。多くの人は、無意識のうちに、身近に模範としたい人物の影響を受け、「○○さんのようになりたい」という憧れを持つものです。しかし、学ぶ側が、ただ憧れているだけでは、将来、自分自身が優れたロールモデルに成りえません。

また、身近にロールモデルがいても、そうなりたいと思うかどうか、問題です。「ハイパフォーマー研修」のときにも感じたのですが、ハイパフォーマーは、いつも「安定して」高い成果を出しているのですが、ローフォーマーも、いつも「安定して」低い成果を出しているのです。しかも、ハイパフォーマーもローパフォーマーも、その達成に一生懸命なのには、違いがないのです。

最近、政府のお声掛りで、女性管理職を増やす動きが見られますが、これとて、身近に模範となるロールモデルの存在があるかどうかも問題です。いままで、女性管理職が少ないという現実は、その職場に女性の管理職がいない、当然、ロールモデルが少ない結果なのだと思います。ですから、いきなり、海外で活躍した人を、頭に据えたりするのは、仕方ないのかもしれません。

男社会でも、ロールモデル人材の行動をまねて実践することで、徐々にその行動の根拠なども理解し、行動パターンを身に付けてもらうために、リーダーシップ開発では、より意識的にロールモデルを選び、分析したうえで学ぶことが求められています。選ばれた人に共通しているのは、いつも部内外を問わず、コミュニケーションに努め、課題解決に優先順位をつけながら、部内の人づくり、職場づくりに、工夫を凝らしていることです。

管理職研修で、選ばれたロールモデルの行動技術や行動事例を共有することは、お互いが多くの気づきを得て、部下に対するロールモデルを目指す上で、とても有意義なのですが、一つ忘れてはならないことがあります。それは、ロールモデルとして選ばれる人材は、単なるスキルに長けた「人材」ということだけでなく、部下から多くの共感を得ている「人物」でもあるということです。

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