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2014年8月30日 (土)

タイトルをつける習慣

「伝える」と「伝わる」の違いは、私たちのコミュニケーション研修で、よく出てきます。ご存知のとおり、「伝える」というのは、自分から見た場合のことで、「伝わる」というのは、相手から見た場合のことなのです。しかし、「伝わる」と思っていても、なかなか「伝わらない」のが現状で、いつもコミュニケーションの難しさを感じています。

コミュニケーションで大切なことは、自分が相手に「何を言いたいのか」「どうしてもらいたいのか」、自分自身が分かっている、ということです。先ほどの研修で、講師の先生が、面白いことを言っていました。それは、相手に話す前に、自分が話したい内容を「一言でいえば、何なのか」タイトルをつけてみると、分かりやすいというのです。

プレゼンテーションの研修でも、分かりやすい説明にするには、「1スライド、1メッセージ」が、よいとされています。スライド作成の演習では、スライドごとに「タイトルをつける」ことを考えながら進めていきます。こうすることで、「1スライド、1メッセージ」が可能になるのですが、そのスライドの内容を「一言でいえば、何なのか」といわれると結構、考えなければなりません。

報・連・相の場合もそうです。報告するのに、いかに論理的に作成されている報告書も、要は、何が言いたいのか、よくわからない場合があります。連絡もそうですが、ただ伝えておけばいい、というのであれば、目的のない報告となります。相談ごとは、特に、相談相手に対し、「何を言いたいのか、どうしてもらいのか」をはっきりさせておかないと、相談の意味がありません。

要は、「一言でいうと」ということができないと、逆に「何をいっているのか」「どうしてもらいたいのか」の目的が伝わらないのです。ですから日頃、話す内容であれ、報告・連絡・相談であれ、プレゼンテーションであれ、あらゆる機会に、いつも「タイトルをつける」ことを、まず考えてから、行動に移すことを、習慣づけたいものです。このブログ内容も、「タイトルをつける習慣」にしました。

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2014年8月23日 (土)

インタビュー力

インタビュー力というと、イコール、聞き方(聴き方)や質問力(訊ね方)として片づけられることが多いのですが、インタビューというのは、相手から考えや要望を引き出すコミュニケーション・スキルで、いわば、その「聴き方」スキルと「訊ね方」スキルを組み合わせて行うのもので、単なる傾聴力や質問力といったスキルだけでは、全うできない、別次元のスキルです。

たとえば、インタビューの時点では、こちらが知りたい考えや要望が、相手の頭の中で、すべて明確になっているとは限りません。これら明確になっている(顕在化している)考えや要望だけでなく、相手が気づいていない(潜在的な)考えや要望を含めて聞き出す必要があります。ですから、相手の話を聞くだけでは不十分なのです。

テレビなど、インタビューを担当されるアナウンサーの方の中にも、せっかく各界の著名人の方から話を伺えるチャンスなのに、インタビューされている方の本心を引き出せていない方も見受けられます。それは、インタビューのストーリーがあらかじめ決められているのでしょうか、必要な部分だけを聞く、しかも限定質問が多いのが特徴です。これでは、聴衆者が知りたい情報まで、広げようがありまません。

ビジネスにおいても、自分は「傾聴力や質問力に長けているから、相手の考えや要望を聞き出せるのは得意だ」と、勘違いされている方も多いようです。自分の言いたいことだけ話したり、自分のストーリーに合わせた質問をするのではなく、柔軟な対話力で相手の反応にあわせ、掘り下げた会話をするために、瞬時に考えて発するインタビュー力が求められるのです。

最近の若い人を見ていると、どうも、この「インタビュー力」が弱いように思います。現に医薬業界でも、MR(医薬情報提供者)さんの中途採用は、必ずしも、医薬業界出身でなく、むしろ異業種からの転職組が多いと聞きいています。自社の製品やサービスを技術的に説明する能力よりも、相手の心の中に入っていける、本音を聴き出すことができる「インタビュー力」が求められている証しかもしれません。

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2014年8月 2日 (土)

自己主張と自己抑制

前にも、「話し上手」=「コミュニケーション上手」ではない、と書きました。相手の聞きたいことを話すのが上手というならまだしも、楽しいおしゃべりをしてくれる人は、「話し上手」=「聞き上手」でない、と同様、必ずしも、イコールとは言い難いのです。コミュニケーション上手は、「話す」、「聞く」のバランスがいい人で、話し上手な人は、時として、「聞く」方には回らないのです。

自己表現の仕方でいえば、自己主張と自己抑制のバランスの取れた人がコミュニケーション上手といえるのかも知れません。グローバル研修などに出てくる例え話として「自己主張すべき場面でも抑制すべき場面でも自己主張をするアメリカ」、「自己主張すべき場面では主張し抑制すべき場面では抑制するイギリス」、「自己主張すべき場面でも抑制すべき場面でも抑制する日本」というのがありました。

確かに、私たち日本人は、自己主張が苦手で、真っ向から対決の姿勢を取り、異なる意見の相手を論破したり説得したりすることに力点を置く欧米型コミュニケーションとは、スタイルが全く異なるということを認識する必要があるかもしれません。現に、私たちは、相手に対して反論する場合でも、「そうかもしれませんけど」とか「そういう見方もあるとは思いますが」とか言いつつ、相手に気づきを促すようなスタイルを取ります。

もちろん、私たちの周りには、自己主張の強い人もいます。日本は昔から、海外のものを取り入れることを推奨する人が多く、国の教育施策や企業の教育研修に携わる人がディベートをやたらと推奨したりします。日本人はディベートが苦手。これは今さら言うまでもないと思いますが、それがもとで問題やトラブルが起きてもあまり疑問視しません。昨今、小学生からディベートの授業をするといった風潮にはやや違和感があります。

そのようなことを勘案すると子どもの自己主張を育む上では、上述のアメリカモデルよりイギリスモデルのほうが日本人にとってはより現実的でとっつきやすいのではないでしょうか?イギリスの幼児教育の方針は、簡単に言えば「自己主張のレベル」も「自己抑制のレベル」も両方が高いタイプを思考しているように思えます。

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