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2012年8月18日 (土)

紳士たれ!

正力松太郎の「巨人軍は常に紳士たれ」とは、ときどき耳にしますが、明治の初期に開校された、札幌農学校(現在の北海道大学)で、初代校長に就任したクラーク博士が、すでに用意されていた校則の条項のすべてを抹消し、「紳士たれ!」の1条のみとした、という逸話があります。

ちなみに、クラーク博士とは、「Boy’s Be ambitious(少年よ、大志を抱け)」の名言で知られていますが、当時、農業技術が進んでいたアメリカから招聘されて赴任したとき、北海道開拓使長官の黒田清輝から「校則はこれで良いでしょうか」とくどくどと幾条もの条項を書き並べた学則案を見せられて、即座に「多過ぎる。一条あればよい」と答えたといわれています。

この言葉を背景にして「Be gentleman (紳士たれ!)」、という言葉が生まれました。技術を教えれば、自然と「ああせい、こうせい」あるいは「ああしては駄目だ、こうしなさい」という「How-To」教育になりがちなことを戒め、「自分で考える」ことを教えたかったのでしょう。

哲学者パスカルが「人間は考える葦である」と言いました。 また、詩人サミュエル・ウルマンが、「人間は考えることで成長し、考えることを放棄した時から老いる」と言っているように、人は常に考えることを継続する限り、成長し続けることが可能なのです。

残念ながら、昨今は、歴史に学ぼうとする若者が少なくなり、何か困ったことがあれば、「考える」よりも「How-To」本から答えを探した方が手っ取り早いというマニュアル社会を象徴して、「How-To」本なら読むが「考える」本は読まないという人が増えていると聞きます。先行き不透明で「マニュアルの無い時代」を迎えた今こそ、彼らに「自ら考え、そして行動する」という訓練と機会を作ってあげなければ、と思います。

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