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2012年8月25日 (土)

教育と研修の違い

このところ、郵送手段としてメール便が安価なのか、外部の研修機関からDMが多くりました。その宛名は、個人を特定していない場合は、「教育・研修ご担当様」というのが多いように思います。しかし、これら研修機関のベンダーさんは、私たちが携わっている人材育成の「教育」と「研修」の違いを知っておられるかというと、そうでもないようです。

そもそも、私たち人材育成の担当者でも、「教育」と「研修」の違いは何?といわれて、即答できる人は少ないのではないでしょうか?語彙的には、教育は「教え、育むこと」、研修は「研いで、修めること」なのですが、この意味合いからすると、教育は「教える側の責任」、研修」は「教わる側の責任」、と区別できそうな気がします。

「教える側の責任」といっても、いくら身につけたら良いことでも、押し付けたり強制したりして教え込むようでは、教育とは言えないと思います。新人教育のように、教わりたいと思う人には教えることはできますが、聞く気もない人には教えることはできません。教わりたいと思う人に育て上げるには、教育は「教えて、育てる」よりも、「育てて、教える」ことが先ではないでしょうか?

一方、研修は「教わる側の責任」といいましたが、欧米では、自己啓発のための一環として研修を捉えているようで、まさに、自己研さんのための機会を与えられているのですから、自分自身のスキルや能力などを鍛えて磨きをかけなければなりません。「きょうは、楽しい研修だった」で終わるようだと、研修に出た意味がないのでは、と思います。

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2012年8月18日 (土)

紳士たれ!

正力松太郎の「巨人軍は常に紳士たれ」とは、ときどき耳にしますが、明治の初期に開校された、札幌農学校(現在の北海道大学)で、初代校長に就任したクラーク博士が、すでに用意されていた校則の条項のすべてを抹消し、「紳士たれ!」の1条のみとした、という逸話があります。

ちなみに、クラーク博士とは、「Boy’s Be ambitious(少年よ、大志を抱け)」の名言で知られていますが、当時、農業技術が進んでいたアメリカから招聘されて赴任したとき、北海道開拓使長官の黒田清輝から「校則はこれで良いでしょうか」とくどくどと幾条もの条項を書き並べた学則案を見せられて、即座に「多過ぎる。一条あればよい」と答えたといわれています。

この言葉を背景にして「Be gentleman (紳士たれ!)」、という言葉が生まれました。技術を教えれば、自然と「ああせい、こうせい」あるいは「ああしては駄目だ、こうしなさい」という「How-To」教育になりがちなことを戒め、「自分で考える」ことを教えたかったのでしょう。

哲学者パスカルが「人間は考える葦である」と言いました。 また、詩人サミュエル・ウルマンが、「人間は考えることで成長し、考えることを放棄した時から老いる」と言っているように、人は常に考えることを継続する限り、成長し続けることが可能なのです。

残念ながら、昨今は、歴史に学ぼうとする若者が少なくなり、何か困ったことがあれば、「考える」よりも「How-To」本から答えを探した方が手っ取り早いというマニュアル社会を象徴して、「How-To」本なら読むが「考える」本は読まないという人が増えていると聞きます。先行き不透明で「マニュアルの無い時代」を迎えた今こそ、彼らに「自ら考え、そして行動する」という訓練と機会を作ってあげなければ、と思います。

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2012年8月 4日 (土)

会社への忠誠心

最近のニュースで面白いのを見つけました。私が見たのは、先月配信のSankei Bizで、おそらく他社の新聞やメディアでも掲載されたことと思います。それは、「日本人の会社へ忠誠心が世界平均よりも低い」ことで、世界的な人事・財務コンサルタント、米タワーズワトソンの調査により分かったというのです。

調査は、今年2~3月に、20ヵ国・地域で働く約3万2千人が対象で、(1)経営方針の理解、(2)自発的に仕事をする意欲、(3)会社への誇り、について、3項目すべてがそろう人の割合が、世界平均で35%のところ、日本は13%しかいなかったというのです。ちなみに中国では53%にも上ったとあります。

(以下引用)
「経営陣からの情報を信じる」は日本24%、世界約6割で、逆に「そう思わない」が日本は30%を超え、世界の17%を上回った。
「会社の目標を信じる」との回答も日本38%、世界70%。「会社で働くことを誇りに思う」は日本47%、世界70%超。
岡田恵子ディレクターは「日本は終身雇用と年功序列が崩れ、経営への期待が薄れた。経営環境が厳しさを増し、雇用の在り方が問われている」

確かに、終身雇用も年功序列もなくなれば、会社や組織への忠誠心など誰も持てなくなるのかも知れません。経済成長とも大いに関連していると思いますが、「マジメで勤勉」といわれる私たち日本人の「企業や組織への忠誠心」が、世界全体平均よりも低くなっているのには、正直、かなり意外でした。

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