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2012年7月 9日 (月)

メラビアンの法則

アメリカの心理学者アルバート・メラビアン1970年代初頭に報告した『メラビアンの法則』は、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかという実験で、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であったという結果です。この割合から「7-38-55のルール」とも言われ、「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれています。

 

メラビアンがこの実験で探りたかったことは「視覚」「聴覚」「言語」で矛盾した情報が与えられたときに、人はどれを優先して受け止め、話者の感情や態度を判断するのか、ということで、異なる内容の表情の顔写真と声色と言葉が情報として与えられたとき、いずれを元にして判断するかという単純な実験なのです。しかしこの実験結果は誤解され、一人歩きをしていて、現在も誤って引用されています。

このメラビアンの法則は、企業のビジネスマナー教育やセールストーク研修、プレゼンテーション実習などで説明されることが多いのですが、『話す内容そのものよりも、見た目・態度・口調・声の大きさのほうが効果的なコミュニケーションを実現するために重要である』という事までは意味しません。ちなみにメラビアン自身がこの実験結果を一般的なコミュニケーションに適用できないとしています。

 

なのに、プレゼンテーション研修をされる講師の先生の多くは、この「メラビアンの法則」を「コミュニケーションの3要素」として取り上げ、「言葉よりも話し方や態度が重要ですよ」と喜々として説明をされ、得意げに「5-38-55」の数字を答えさせたりします。出典をよく調べれば、汗顔の至りと気づかれることでしょう。


この前、「ふじやま学校の朝礼・終礼」という本(ワニ・ブックス)を読んでいたら、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションのくだりで面白い表現がありました。曰く「言葉だけでは話の内容は7%としか伝わらない。声のトーンや抑揚があって38%伝わり、さらに表情や身振りが加わって、ようやく伝わる。これは『メラビアンの法則』とも呼ばれ、ノンバーバル・コミュニケーションの重要さを物語っています」!? 一人歩きも、ここまでくると逆らえません。

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