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2012年3月26日 (月)

東大の秋入学

東京大学が従来の4月入学を全廃し、海外で主流となっている秋入学へ全面移行するとした素案を発表、他の大学にも同調を呼びかけています。ただ、秋入学が実現しても高校卒業は秋のままで、入学までの半年の「ギャップターム(欧米では【ギャップイヤー】という)」が生じることになります。その間の過ごし方が新たな問題として浮上して来ていますが、大学卒業から就職までの間にも空白期間が生じる可能性があります。

この空白期間は、単なる「空白」というのではなく、入学前・入社前の準備期間として、スキルの研鑽、ボランティアや国内外留学、企業インターンなどの経験を積ませるといったことが考えられますが、最近の議論をみていると、そのお膳立てや費用の負担を、大学がするのか、企業がするのか、やれ個人の自主性に任せるべきとか、多岐にわたっています。

とはいっても、この提案に対して真っ向からの反対意見が少ないのは、いまの社会の人材育成のあり方や大学、教育の現状に満足できず、この秋入学には、そういった停滞感がある現実を何とかしたいという思いが、関係者の根底にあるのではないでしょうか。事実、素案を見る限り、社会を変えていくこともにらんだ秋入学を提案していることは間違いないと思います。

その後の記者懇談会でも、東京大の浜田総長は、秋入学の提案した原点を「国際競争が強化され、グローバル人材が求められる中、若い人が10年後しっかりやっていけるだろうか。海外の人との競争、強調して活躍できるだろうか、というところにある」と話されていました。

入学前、入社前に、「空白期間」を活用できるなら、いま日本の学生に不足しているといわれる「自分で課題を見つけて解決するする能力」を育み、人材の多様性も生まれることでしょう。ただ、ギャップタームをどう過ごすかということにとらわれすぎると、問題の本質を見失う可能性があり、これによってどんな社会像を描くのか、というところまで考えた方がよいと思います。

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2012年3月19日 (月)

社員のソーシャルメディア使用

弊社の内定者向けハンドブックで「機密」の項のところでは、「入社式や新人研修のことをつぶやかない、「むやみに携帯電話で会社の話はしない」、「会社の書類を電車の中で見ない」、「エレベータで仕事の話はしない」、「会社から配布された物はなくさない」、など10項目ありますが、いずれも、学生さんから社会人になる新人さんには、最低限、知っておいて欲しいものばかりです。
 
ただ、最近では、個人や企業の情報を保護するのに、会社は従来の社内規定や行動規範での対応には限界があるように思います。スマートフォンの普及などで、「ツイッター」などのいわゆるソーシャルメディアの利用が格段に増え、企業のリスク管理は難しい局面に差し掛かろうとしています。社員が社内や顧客の情報を漏らした結果、企業に苦情が殺到し、対応に追われるニュースもありました。
 
ソーシャルメディアの利用規定を定める企業も増えてきたと聞いていますが、ネットへの自由な書き込みを制限することは「言論の自由」の観点からも、利用の全面禁止は難しく、「企業秘密や会社の名誉を傷つけないことを目的とする社内ルールの設定」が精一杯で、社員個人の私生活と企業の監視が及ぶ範囲の線引きは単純ではなくなってきています。
 
ニューメディアリスク協会の「企業がリスクを感じるインターネット上のサイトやサービス」という企業向けアンケート結果によれば、ツイッター、2チャンネル、フェイスブック、個人ブログ、ユーチューブの順でした。とは言うものの、一方では、ソーシアルメディアは顧客との交流を深める手段として注目されており、積極的に活用する企業もあることから、かじ取りが難しい状況にあるのは事実です。

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2012年3月12日 (月)

公衆電話のメリット

1985年3月末のピーク時に約93万台あった公衆電話ですが、昨年3月末時点では約25万台。携帯の普及で、外出先での通信の主役から追いやられ、駅周辺などでの撤去も目立ちます。

公衆電話のあり方を検討してきた情報通信審議会(総務相の諮問機関)の答申をうけて、災害時の有効な通信手段として、NTT東日本、西日本では、この春から、設置場所を広く公開されることになったとか。
公衆電話の最大のメリットは、確かに、災害時の緊急通信手段として優先的に利用できることです。大震災などの場合は無料になります。また、つながりにくい場合でも優先的につながります。携帯電話やIP電話・ひかり電話などは役に立たないこともあります。
ですが、教育に携わる者の立場から考えた場合、公衆電話のメリットは「話を簡潔に話す訓練になる」というのもあるように思います。いまや誰でも携帯電話を持っていて、ほとんどが掛け放題のパックを利用しています。家庭にある個電も、昔と比べて、料金がずいぶん安くなり、時間を気にしなくなりました。
一方、公衆電話の場合は、投入する金額に限りがあるため、どちらかというと手短に話すようになります。携帯よりも、ずっと安価なのに、妙なもので、時間を気にして話します。ですから、話す前に、何をどのように話すか考えてから、電話に向かいます。
携帯世代といわれる若者が、「考えることが苦手」といわれる理由の一つがここにあるのではないでしょうか?

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2012年3月 5日 (月)

研修テキストのあり方

最近の研修は、パワーポイントのスライドを使って行われることが一般的です。内製化の研修は、教材として作成していますので、かなりの読み応えのある内容になっています。ただ、実際の研修では、これとは別に、説明用のスライドを用意しています。教材としてのテキスト内容の理解を助けるためのもので、スライドは要約した内容で表示されます。

外部から招聘する講師の先生の場合、必ずしも、私たち内製化のものと同じではありません。こまかい文章をそのまま画面に映して講義する方、テキストの要約ではなく、キーワードをスライドにして見せる方、逆にスライドと同じものをテキストとして使用される方など、先生によって作り方・見せ方は、いろいろです。

スライドと教材(プリント)を使い分けることは、プリントで全体像を俯瞰してもらえること、スライドを見せて“参加型”のような雰囲気を作り出せること、それを見て、メモを取ったり、プリントの該当する箇所にラインを引いたりすることで、重要な部分がしっかり認識できますし、終了後もプリントを見ながらの復習にも役立ちます。

研修に参加するいちばんの目的は、そこで学んだことを自分の仕事に活かすことです。そのためには“学んだこと、覚えたこと”を自分自身の問題に落とし込む作業が欠かせません。覚えてほしいキーワードは穴埋め式で書いてもらう一方、考えてほしいときは“自由記述欄に書く”という行動をしてもらうのが効果的です。

いまや“参加型”の必要性は、誰もが知っている常識です。しかし「どんな内容について、どういう参加の仕方をしてもらえば、もっとも効果的か?」ということは一切考慮しないで、とにかく楽しい参加型メニューを考えることに注力されている方も見受けられます。そうではなく、それぞれの行動の特徴を考え、戦略的に振り分けてほしいものです。

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