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2011年12月19日 (月)

上下のコミュニケーション

若い人が多くなった職場は、明るくてよいと言われますが、時として、コミュニケーションが苦手な人が多すぎて仕事に支障をきたすことがある、とも聞きます。そこでは「目上の人が苦手」とか「後輩が苦手」という若者が目立ってきたというのです。

「目上の人が苦手」というのは、経験を積んだ上司や先輩が、まだ経験の浅い部下や若者に対して、教えたり、諭したり、ヒントやアドバイスを与えようとしても、それをウザイと一方的に決めつける若者で、先輩に対して頼ったり、上司の言うことを素直に聞いたりといった関わりがうまく行かず、ぎこちなくなってしまうみたいです。

一方、「後輩が苦手」というのは、上司や先輩からの「上から目線」に甘えて頼ることはなれているものの、逆に、自分が「上から目線」に立って、教えたり、アドバイスとしたりといった、指導する立場で接するのが苦手だというのです。さらには、先輩に対して「目下」の視線に立って甘えているところを後輩に見られているのは気恥ずかしい、いう思いもあるようです。

心理学の榎本博明先生の話しでは、そのような若者が目立つ理由は、「近所の遊び集団の崩壊によって目上・目下関係を経験することなく育つ時代になったから」だそうです。確かに、昔は、学校から帰ると、よく近くの公園などの遊び場に直行したものです。そこには、自分より年上の子や同年の子、年下の子など、いろんな子がいて、集団遊びが出来ていました。

このような遊び経験の積み重ねは、自分より年上の子に対する態度と、自分より年下の子に対する態度が知らず知らずのうちに、身についていったのでしょう、いわば、目上に従ったり、甘えたり、頼ったりする姿勢を身につけるとともに、目下に対して面倒見良くできたはずです。

ところが、いまの若い世代の子供のころは、すでに近所の集団遊びは無くなっていました。理由としては、都会では空き地が少なくなったことや、塾やスポーツ教室に通う子が増えて共通の空き時間がなくなったこと、それに治安の悪化で親御さんが子供を外に出さなくなったことも要因に挙げられます。

そこに、数人の室内遊びや、一人で遊べるゲーム類が次々に開発されて、子供たちは異なった年齢の集団遊びをするこがなくなり、同じクラスのごく気の合う数人で遊ぶようになりました。ある心理学の調査で、大学生に「先輩、同期、後輩の中で、友だち、仲間、話し相手、相談相手は何人くらいいますか?」という問いに、最大でも「5人」という結果がそれを物語っていると思います。

このような若者を受け入れる私たちは、コミュニケーション教育もさることながら、ポジショニングというか、本人の自己評価、自在確認ができるような研修を、もっと多くの時間を割いて、取り入れて行かねばならないと考えています。むかし町内で、近所のおじさんやおばさんが子どもたちをいつも見守ってくれていたように。

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