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2011年11月28日 (月)

上手過ぎる講師

あなたにとって「上手な講師」とは、どのような先生ですか?もちろん会社が求める研修要件によって異なりますが、ふつう言われているのは、「教え方が上手い」、「気づきを与えてくれる」、「打合せどおりの内容ですすめてくれる」といったところでしょうか?

「教え方が上手い」というのは、最初のつかみから最後の落としどころまで、受講生を巻き込んで、スキルなどを習得させることができる方です。もっともプログラムがよいことが第一ですが、講師のキャラも大いに影響します。受講生目線になれる先生はいいのですが、講師目線で話される方は、受講生の反応が見えていないので、「教える」ことはできても「伝える」ことが出来ません。

単なる「スキルを教えるだけ」でなく、「マインド」というか、明日から行動変容を促すことができると、「上手な講師」と言われます。ただ、勘違いしてほしくないのは、研修が終わった時点で「いい話を聞いた」「気づきや学びを得られた」というアンケートがあったとしても、それは、そのあとの行動変容につながるかどうか、分からないのです。

「打合せどおりの内容ですすめてくれる」というのは、今回の「研修でのねらい」を全うしていただけたかどうかです。私たちが依頼する研修は、対象となる受講生の「現状」を、この研修を通じて「変革」しようとしているのです。「なぜ、この研修があるのか」、「学んだことを現場ですぐに役立てる」ことを押さえて、スキルを習得していだく必要があるのです。

なのに、自分のプログラムや教え方に「自分で酔って」おられるのか、こちらの要件どおりにやってもらえない時があります。先生に確かめると、「いや、やろうとしたのですが、受講生の反応を見ていると、興味を示さなかったので、もとどおり自分の流れに代えました。」といわれるのです。受講生の反応が悪いというなら、なぜそうなのか考えて、違う伝え方を試みてほしいです。自分で「行動変容」ができない先生に、受講生の行動変容を求めるのが無理と、いうことでしょうか。

いくら講師の先生がコースマネジメントに長けていても、勝手に自分の世界で研修をされて、自己満足されても困ります。ただ、このような先生は、本当に演習を含めて講義の仕方がお上手なので、一見、受講生受けをします。時には、私たちの本来の「研修のねらい」をわすれさせるほど、上手にまとめあげます。そう、ごまかしが見えなくできるほど、「上手過ぎる」のです。

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2011年11月21日 (月)

話し方と伝え方

外部の講師の先生で、とっても話し方の上手な方が何人もいらっしゃいます。皆さん「立て板に水」の如く、流れるように話されます。そのような先生に担当いただく、プレゼンテーションやインストラクションのスキル研修では、受講生は、その先生のように話したいと思うことがあって当然だと思います。

ただ、最近では、相手理解が出来ない人が多くなったせいか、少し様子が変わってきて、「上手に話すことはできても、伝わっているかどうかわからない。」という場面によく遭遇します。「立て板に水」の講師の先生たちも、どちらかというと、「聞き手」目線ではなく、「話し手」目線になっているように思えます。上手過ぎて、なにか上辺をすべっているように感じます。

これらの先生たちに共通して言えることは、結構お年を増しておられて、話し方はお上手なのですが、受講生が見えないというか、上から目線で、「自分の教え方が一番」だと思われていることです。「話し方」より「伝え方」を教えてください、といっても、その意味が理解できないのか、「伝え方」は、アイコンタクトやジェスチャーの仕方をおしえているのではないか、といわれるのです。

どうやら、このような先生方には、「伝える」ことと「伝わる」ことは、同じだと解釈されているようです。いまの若い人向けのプレゼンテーションは「論理力」、「表現力」、「伝達力」のスキルアップが必要なのに、論理構成を無視した一方的なプレゼンテーションで、相手の目を見ているふりをして、手振り身振りよろしくジェスチャーをいれればよいというのでしょうか?

話し手目線だと、「話し方」=「伝え方」らしく、聞き手目線でいう「伝わり方」は関係ないようです。こちらがこれほど上手に話しているのだから、理解できないのは、聞く能力がないからだと、言わんばかりです。先日もテキストにある「教え方」というのを「伝え方」に直してもらったのですが、講義は相変わらず「教え方」でした。ちょっと悲しくなりました。

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2011年11月14日 (月)

階層別研修

弊社もご多聞にもれず、まだまだ階層別研修を続けています。どの企業さんもそうですが、新入社員研修のあとは、若手社員向け、中堅社員向け、監督者(主任・係長)向け、管理職(課長・部長)向けに分かれています。別に悪いわけではないのですが、この階層別は、一見、つながっているようですが、一本筋が通った研修をしているわけではありません。

たいていの場合、入社1年未満、1年~2年、3年~5年、6年目~と、これとは別に職制(管理職)を分けて考えます。早い段階では、コミュニケーションスキルが中心で、若手~中堅社員に対しては、業務に必要なスキルと、それを実務に活かす気づきを促すマインドの両輪で進めています。ただ、管理職研修の場合は、組織管理、率先垂範、人材育成など、リーダーシップにおけるマネジメントスキルに重点が置かれます。

この形態での階層別研修では、階層におけるステップに共通するものがないのです。たとえば、「ゆとり世代」を迎えての新入社員研修、それを指導するOJTメンター(職場指導者)研修で、人材育成を行なおうとしても、その上の人たちは、「今の新人は指示されないと自分から動かない」など、「ゆとり世代だから・・・」といって新人の所為にします。少なくともOJTメンターの上の上司(人材育成責任者)まで取り込んで、この種の研修をしないと実態が分かってもらえないのです。

「最近の新人~中堅に元気がない」といわれるなら、それは、その上司である管理職側に大きな問題があると思います。はっきり言って、新人が動かない原因は、受け入れる管理職側にあるのです。新人から若手、中堅まで、自発的に動くようになるには、管理職が変わらなければならないのです。「つながりのない」管理職研修では、その問題点を指摘されても、理解はするものの行動に移せないのです。

いま、社内外から、「自発型社員を生み出す管理職育成プログラム」の提案を待っています。

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2011年11月 7日 (月)

ディベートの活用

私たちの管理職研修で外部から招聘している先生がいます。結構、理論武装もされていて、時として知ったかぶりをしたがる御仁に対しても、うまくさばいてもらっています。もっとも、先生の講義は「リーダーシップは管理者として3つの役割MPE」を支える力だよ。」といって、組織維持(M=メンテナンス)、業務遂行(P=プレイングマネジャー)、人材育成(E=エデュケーション)に絞って話されるから分かりやすくて評判です。

東大の客員教授でもある、その先生から聞いたのですが、最近は、大学で若い人向きに「ディベート」を教えることが多くなったといいます。大学からの要請は、当初はロジカルシンキングだったのですが、より実践的に習得しようとすると、ディベートが一番分かりやすいというのです。何でも物事を判断するのに論理思考が必要とされるのは分かりますが、どうやら、自分で考え、判断し、行動する若者にとっては、「決断に用いる思考」として体得しやすいというので、学生さんから要望があったそうです。

ご存じのように、ディベートは賛成派、反対派に分かれて議論するのですが、賛成と反対、両者の立場に立った意見・主張をあらかじめ用意しておきます。どちらの立場に立つかは直前まで決まらず、自分の意見と逆の立場で主張しなければならない場合があります。勝ち負けを争うというより、問題を賛否両方の視点から客観的に考えるようになっています。その意味では、ディベートの考え方をもとにした「決断思考」も、若い世代にとって「武器としての教養」となり得るのかも知れません。

変化の激しい現代社会を生き抜くためには、いままでのように誰かが答えを教えてくれるわけでなく、すべて自分の頭で考え、相手理解の立場に立ち、「正解」でなくても、いまの「最善解」を選んで行動することが求められます。いまの若者は「考えることをしない」と、よく言われますが、この講義を受けている彼らに限っては、ディベートを活用して、考える習慣をつけているのではないでしょうか?

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