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2011年10月 3日 (月)

想定内と想定外

「想定内」とは「想定の範囲内」の略で、ひと昔前、ニッポン放送、フジテレビの買収をねらったライブドア堀江貴文(元)社長が、フジテレビ側がとった対抗策へのコメントを求められた際に、その負けず嫌いな性格から、このことばを使って、一躍流行語となりました。いくつかの予想される事態をすべて自分の頭の中に描いていて、それに対してとりうる対策などを当初から予定しているということで、対語は「想定外(想定の範囲にないこと)」です。

東日本大震災では多くの人命が奪われました。これに対して行政や専門家らは、「想定外の地震と津波に襲われたため、被害が拡大した」との見解を示してきました。しかし私にはこの「想定外」という言葉が、「想定の範囲を超える自然災害だったのだから、仕方がない」という責任逃れの言い訳として使われているように思えてなりません。
「福島の原発事故での対応が後手に回った原因の1つは日本人の国民性」という指摘があります。確かに、多くの日本人は、対策が破綻した時を想定するのは、そもそも「破綻する対策」に不備があるのではと考えます。完全主義というのか生真面目というのか、「対策」とは万全でなければならず、そこに「破綻」などあり得ないのです。そして、「思考停止」に陥ります。ですから可能性の低い危険性は「想定」すらしなくなるのです。これが後手に回った理由の1つではないかというのです。
「危機管理」と日本語ではひとくくりにされていますが、英語では「リスクマネジメント」と「クライシスマネジメント」に分けられ、前者は「想定内の対応」、後者が「想定外への対応」とされています。リスクマネジメントは日本人にとって得意分野です。危機が起こらないよう対策を講じ、想定内の危機にはあらかじめ決めておいた手順を冷静に実行します。彼らは想定できる「リスクマネジメント」は100点であっても、想定外の「クライシスマネジメント」がほとんどできていないのが現実です。
クライシスマネジメントの立場に立てば、「想定外でした」という言い訳は絶対許されないのです。なぜなら「速やかに収束させるのがミッション」だからです。想定外だったから対応出来ませんでしたでは、クライシスマネジメントの敗北を意味するのです。政治家であれ、企業のトップであれ、この「想定外」をできるだけ「想定内」に収めることが、ビジョンを語り、日本の未来を担うリーダーではないでしょうか。

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