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2011年8月 1日 (月)

短所を直す教育

先週は、「短所を直すより、長所を伸ばそう」と書きましたが、ただ、現在の教育や躾の方向性は、「短所を指摘して正すこと」が基本方針のようです。研修もそうですが、確かに先生の視点から見れば、誰でも同じ型にはめればいいのですから、この方針の方が楽なのでしょう。

私は、自分自身に対しは、伸ばすよりも直すほうを優先しています。一方、他人に対しては、直すよりも伸ばすほうを優先しています。なぜなら、はっきり言って、他人の短所など直せるはずがないからです。自分自身で直そうとする気持ちが生まれない限り、周囲からとやかく言われても、直るわけがありません。また、何よりも、直すという行為に他人が入ってくるのは嫌なことであり、言う方も言われるほうも決していい気分ではありません。

「短所を直す教育」をいいように捉えると、他人の短所を直すのではなく、「自分の短所を直す」ことが正しい解釈の仕方ではないでしょうか?以前、朝日新聞の天声人語に、小学生の宿題で「わたしの長所」というのを出すと、PTAから「教育というのは短所を直すのが教育でしょう。だから宿題は「わたしの短所」でないといけないのではないか」とクレームがくるとありました。

現に「わたしの短所」という宿題を出すと、小・中学生はいっぱい書いてくるのに、「わたしの長所」という宿題を出すと全然書いてこないというのです。「長所を伸ばそう」としないで、初めから短所だけ指摘して、「それを直せ」という教育では子どもの人間性が伸びるはずはありませんが、親御さんも先生方の多くも「短所を直すのが教育である」と思い込んでいたのでしょう。だから短所ならいっぱい書けるというふうになってしまったのです。

「短所を直す教育」になってきたことは、明治からの近代化の流れのなかで、全て上から追いつけ追い越せという体制をつくり、画一的な「エリート養成教育」を推し進めたからです。そのお陰で日本経済は素晴らしい発展を遂げ、先進諸国に追いついて経済大国になりましたが、同時に追いつこうという「モデル」がなくなりました。自分の頭で新しいことを考え、新しいことを起こしていかなくてはいけないレベルまで達したのに、考える人間、個性ある人間を育ててこなかったという、ツケが回ってきたのではないでしょうか。 

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