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2011年6月13日 (月)

新人へのアンケート

今年の新人研修をやっていて気がついたことがあります。新人研修後にはたいていの新人がアンケートにびっしり素晴らしいコメントを記入してくれます。最近の新人は、報告の書き方は先輩たちより優秀だ、と感じたりしていましたが、よく見るとそのコメントには、中堅社員向けやマネージャー向けの研修へのコメントとは明らかに違いがあるのに気がつきました。

それは何かというと、アンケートのコメント文章の主語が誰かということです。マネージャー向けの研修では、「私は・・・の気づきを得た」「明日から・・・していきたい」と主語が一人称なのですが、新人研修のコメントでは「講師のプレゼンスキルがすばらしい」「相手尊重という切り口の研修は斬新であった」「これほどの研修は今まで受けたことがない」などと、主語が三人称であったり、一人称であっても他人事のコメントが多いのです。

なぜ、そのようなコメントになるか、多分それはゆとり世代が常に消費者としてサービスを評価する立場で居続けたからだと云われています。インターネットを当たり前のように使いこなすゆとり世代にとっては、口コミサイトやSNSなどで商品やサービスを評価したり、いわゆる「ダメ出し」をすることが当たり前になり、企業側としても直接顧客に会って聞くより、ネットを通じて消費者に評価してもらう方が手っ取り早いからなのでしょう。

ですから、研修への参加態度も、なんとなくテレビを見ているようなあり方になり、終わった後もそのドラマの感想として、評論家的なコメントを書くようになっているのではないでしょうか?研修を評価するというモードになってしまうと、人は無意識に研修や講師の良さを、自分のあり方や行動とは関係がないというモードで見るようになります。しかし実際には、自分がどれだけ学ぼうとしていたかという姿勢も、本人の気づきの深さに大きく影響を与えるはずで、他人ごとではないのです。

ある生命保険会社から毎年発表される「新入社員を対象とした理想の上司」というのがあります。このアンケートは、保険勧誘のツールとして実施されるPR活動のいわば副産物で、答えはいつも「ゆるキャラの上司」に映る俳優やテレビドラマの主人公ばかりで、どこまでマネジメントをわかっての答えなのか疑問に感じます。これも評論家気取りのゆとり世代の新人が書くコメントだと考えると、無べなるかな、と思います。

私たち人材開発と組織開発の観点からすると、このような研修のアンケートは廃止する方向にあります。その代わりに、研修を振り返って自分の関わり方はどうだったか、どのような気づきがあったのか、明日から具体的に何をしてみたいのかなど、内省できるような振り返りシートを記入してもらう予定です。また、そのコピーを数カ月後に再度送付して改めて振り返るようにするつもりです。

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