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2011年2月28日 (月)

高校生のこころの健康意識

最近、財団法人日本青少年研究所から日本、アメリカ、中国、韓国の意識比較での「高校生の心と体の健康に関する調査」結果が発表されました。調査は昨年6~11月、4カ国の高校1~3年に実施されたもので、発表されたサンプル数は日本、アメリカ、中国の約1,110~韓国の約3,900と少ないながら、諸外国と比較することで、日本の子どもたちの特徴をいっそう鮮明に把握することができます。

調査内容は、前年は「高校生の勉強」に関する意欲調査であり、テーマが異なっていますので、経年変化の比較はできないのですが、今年は「身体の健康、こころの健康」で、心の健康では、「情緒とストレス」「自分の性格評価と自己意識」「他者との関連性」で、私の興味を引いたのは、これから大学に進み、就活を始める彼らの「自己評価」と「他者との関わり」でした。

「自己評価」では、アメリカと中国の高校生の自尊感情(自己肯定感)が強いのは、わかるような気がしますが、日本人は「謙遜することが良い」とする面があるにしても、日本の高校生は自己評価があまりにも低すぎる結果がでていました。ちなみに質問に対する回答(数値は「全くそうだ」の比率)をピックアップしました。

「私は価値のある人間だと思う」 アメリカ57.2%、中国42.2%、韓国20.2%に比べ、日本はわずか7.5%
「自分を肯定的に評価するほう」 アメリカ41.2%、中国38.0%、韓国18.9%に比べ、日本はわずか6.2%
「私は自分に満足している」 アメリカ41.6%、中国21.9%、韓国14.9%に比べ、日本はわずか3.9%
「自分が優秀だと思う」 アメリカ58.3%、中国25.7%、韓国10.3%に比べ、日本はわずか4.3%でした。
グローバル人材育成が叫ばれる中、皆さんはこの数字をご覧になって、どう思われますか?

「他者との関わり」でも日本の高校生の肯定率は低い結果が出ています。
「自分の優秀さを親が評価している」 アメリカ91.3%、中国76.6%、韓国64.4%に対し、日本は32.6%に過ぎず、
親が勉強へのアドバイスをすることや生き方を教えることについても、相対的に肯定率が低いとされています。
また、教師との関係も相対的に希薄で、相談しやすさの評価は3割弱で4カ国中最低で、友人関係においても、遊び仲間はいても、「相談できる友だちいるか」という問いに対する肯定率も最低でした。

彼ら高校生だけが他者との関わりが少ないのか、それとも家族や教師、友達以外の組織からの関わりが少ないのか、「日本の高校生は、信頼できる他人や、助けてくれる団体や組織のどちらも肯定率が4カ国中で最低であった。」という現実をここまま捨て置いてよいのでしょうか?

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2011年2月21日 (月)

人材の強化

4~5年前までは、企業の経営課題といえば、なんといっても「収益性の向上」や「売上・シェアの拡大」で、私たちの担当する採用・育成・多様化における「人材の強化」は二の次であったのに、最近は「人材の強化」を最重要課題にあげる企業が多くなったと聞いています。それは、サービスや商品の品質向上にしても、新商品や新規事業の開発にしても、キーになるのは人材だからということでしょうか。

特に、経済のグローバル化や情報のネットワーク化が進んだ今、経営環境の変化が、1980年代とは比較にならないほど、不確実で複雑になってきたことであり、アメリカに端を発したサプライムローンの問題など、他国の経済活動の変化が自国に及ぼすことが事前に予測しえない現象を見ても明らかです。いまや、次々に変化する経済環境に、迅速かつ柔軟に対応する組織のマネジメントと人材づくりが求められています。

経営環境が安定的に変化する状況では、階層型の組織が有効で、人材育成も能力開発に特化した「階層別研修」がフィットしていたのですが、今日のような経営環境では、組織は役職階層がフラットになり、部門間のネットワーク化が重視されるようになりました。ただ、フラットになった分、リーダーがかかえるメンバーの数は、コントロールできないほど膨れ上がっているのも事実で、OJTにしても一人一人に目を掛けて行えるほどの余裕がなくなりました。

最近の若手がどうのこうのではなく、いつの時代にも存在する「指示待ち族」で、上司の指示に従順に従っていただのでは、このような経営環境の変化には対応することは難しく、メンバー各自が主体性を持って、組織内外の情報を収集し、自ら問題を探り、意思決定して行動する役割を担うことになります。既存のマニュアルに従う定型的な仕事の多くは、非正社員に任されるようになり、「企業が求める人材」の要件も変化してきました。

このような環境にあっての「人材の強化」は、私たち研修担当部署にとっても大きな課題です。従来の階層別研修で行っていた色んな研修アイテムを、フラットでネットワーク化の組織に見合った内容に組み替える必要に迫られています。しかも、年々変化する環境に合わせて対応していかねばなりません。新卒社員の研修もしかりで、全社的に中堅社員から幹部研修まで一貫した「学習する組織」に連動したものを目指しています。

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2011年2月14日 (月)

失敗してもいいのだよ

外部講師の方と新卒社員のマナー研修の打合せをしています。現場からの上長がよくいう「最近の新人は消極的な態度をとる人が多い」という点に関しての講義内容のすり合わせです。具体的には、慣れない仕事を任せられると、新卒社員は、すぐ「できません」「それは無理です」といって逃げようとしたり、失敗しても「ああだ、こうだ」といいわけばかりするというのです。「失敗は成功のもと」「失敗は成功の母」という諺を知っていても、自分から進んで行動を起こさないのです。

確かに、就職が難しい情勢の中、大手思考で安定を求め、せっかく就職戦線を勝ちぬいて入社したのですから、新入社員のうちは、失敗しないように、「上司から与えられた仕事をソツなくこなす」だけというのも分からないわけではありませんが、失敗を恐れるあまり、新しい仕事に取り組まない限り、進歩がないこと、それに失敗が許されるのは新入社員の時期だけだ、ということを分かってほしいと思います。

「失敗は成功のもと」の意味は、「失敗すれば、その原因を反省し、方法や欠点を改めるので、かえってその後の成功につながることになる」ということですから、新入社員の時期に出来るだけ多くのことを経験し、失敗を重ねることで、少しづつ仕事が出来るようになるのに、いつも消極的に、安全運転をしているのなら、いつまでたっても仕事の面白さなど、分からずに日々を過ごすことになります。

新入社員の間は、上司の指示に従ってきちんと担当業務を行うことが求められますが、マナーの先生は「指示に従うことと、指示されたことだけをやることには大きな違いがある」ことを教えるといわれます。慣れない仕事を任せられると、誰でも不安いっぱいになりますが、はじめから「できない」と決めつけるのではなく、「仕事を与えられたことは自分を成長させる絶好のチャンスだと捉える」ように指導されます。

読者の皆さんは、ご自身の新入社員だったころを思い出してほしいのです。きっと先輩が、あなたの面倒を見てくれて、黙っていても、失敗を繰り返しながら成長するあなたを、微笑ましく見守っていてくれたのではないでしょうか?世の中のご時勢も、入社してくる新入社員の育ち方も変わってきた今、「失敗したくない」と考える新卒社員に、黙っていないで、一言、「失敗してもいいのだよ」といってみてはいかがでしょうか?

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2011年2月 7日 (月)

絵本を読む

皆さんは、お子さんに絵本を読んであげたことがおありだと思います。また、子どものころ母親に抱きかかえられ絵本を読んでもらった記憶がおありでしょうか?最近は、私たちの階層別研修のように、赤ちゃんから2才きざみに小学6年生まで、推奨絵本を定期配本してくれたり、大人の絵本まで登場するように「絵本ばやり」の世の中になりました。

子どもに絵本を読んであげる大切さは、その声を通して、物語といっしょに、さまざまなよいものが、子どものこころに流れ込むことです。絵本を読むということは、絵本を見せながら物語を語ることで、読み手も物語の流れに乗ることです。物語というのは、起承転結がちゃんとあって、話はゆっくりはじまり、だんだん盛り上がり、クライマックスで力が入り、静かに終わるというのが一般的な流れです。

「自分は、絵本を読み聞かせるのは苦手だ」という人がいますが、読み方の上手、下手というのは、いったいどういうことなのでしょうか?「私は読むのが下手で・・・」とおっしゃる方は、どういう読み方が上手と思っておられるのでしょうか。おそらくラジオやテレビで耳にする役者さんの話し方や朗読を、上手なものと考えておられるのではと思います。登場人物により声を使い分けたり、悲しい場面で涙声になったり、いわゆる「感情を出して読む」読み方です。

私たちが子どもに本を読んであげるのは、子どもを物語の世界に遊ばせてあげるためで、演技者として私たちを印象づけるためではないのです。怖いオオカミの話をするのに、読み聞かせをしているお子さんに「お前を食っちゃうぞ!」と叫んだら、子どもはびっくりして読み手の顔を見るに違いありません。そのとき、子どもの心に印象づけられるのは、オオカミの怖さではなく、読み手の迫真的な演技でしょう。

このことは私たちの研修に置き換えても、同じことがいえます。講師の先生が受講生目線でなく、一方的に自分の価値観で講義された場合、受講生に受け入れられる素地は少なくなります。自信満々の先生の講義のあとの受講生からのアンケートで講師の評価が良くない時は、その最たるものです。そんな時くだんの先生は決まって「おかしいなあ、自分としてはいい出来だと思ったのだがなあ」とおっしゃいます。

毎年、何人かの受講生からダメ出しをされるアサーショントレーニングの先生の場合もそうです。「アサーショントレーニングなのに、先生がアサーティブでない」というコメントに対して、先生ご自身は「私は、ずっとアサーティブに受講生に向き合っていました。」とおっしゃるのです。そうです、先生は話し方が上手過ぎるのです。上手すぎて、受講生がその技法に魅せられて肝心の「物語の流れ」がどこかへ行ってしまうのだと思います。

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