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2010年4月26日 (月)

褒める、認める、肯定する

最近のコミュニケーションの研修では、先生方は、人を「褒める」ことを奨励されます。管理職研修でも「部下の褒め方」の演習まであります。このような研修を受けられた管理職の方が、職場に戻って、演習の成果を出そうとされても、急には出来そうにありません。

まず、褒め方の基準ですが、ひどい先生の場合は、「ネクタイが素敵だ」「スーツが似合っている」「笑顔が美しい」など、外見的な事しか言われません。これでは、外見を褒める要素が見当たらない場合は、褒めようがなくなりますし、褒められた本人が、その気でなければ表面上のお世辞にしか聞こえません。

ちょっと気のきいた先生になると、褒めるのは「外見ではなく、その人の行為」だと言われます。外見だけを褒めるのは、初対面ならまだしも、いつも顔を合わせている人に対しては通用しません。仕事の出来栄えや、お客様との応対ぶりなど、業務と関連したことを褒めるのです。

ただ、仕事ぶりを褒めるには、日ごろから褒める相手を、よく観察していなければ、その人の行為を褒める事ができません。外見しか褒められない人は、部下や同僚が、何をしているのか、興味のない人です。部下や同僚の仕事ぶりを認めていないからかも知れません。

ですから、「褒める」前に「認める」ことから始めなければなりません。日常の業務の中で、相手を「認める」ことがないのに、急に「褒める」ことはできません。強いて言えば、そのような上司は、部下の言う事を「肯定する」ことが少ないのではないでしょうか?せっかくの提案をしても、頭ごなしに否定してはいないでしょうか?

私見なのかもしれませんが、人を褒めるには、まず、「肯定する」ことから始め、その積み重ねが「認める」ことになり、「褒める」ことにつながるのだと思います。

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2010年4月19日 (月)

ロールプレイング

日ごろ、私たちが何気なく行っている、研修でのロールプレイングは、アサーショントレーニングと同じように、そのルーツは心理療法にあると聞いています。「ロールプレイ」は読んで字のごとく「役割を演じる」ということからもお分かりのように、舞台稽古で、監督が習熟する技法だといわれています。

それは、監督が、主役が心理的な葛藤などで、その役割を十分演じる事が困難なとき、主役と相手役を交代させて稽古をすることで、主役が演じやすいように相手役になった自分に気付きをもたらすというものです。この場合、監督はオブザーバー的な役割も兼ねていて、コメントを付け加えます。それらは、この演じる人だけでなく、舞台や観客の存在を想定して行われます。

このロールプレイングは、企業の教育訓練技法に応用されるようになりましたが、特に営業研修では、売り手と買い手に分かれ、それぞれの役割を演じることで、さまざまな気付きを得ることができます。
ただ、注意したい点は、通常、ペアで行いますが、役割交代をしたところで、そのペアだけで完結するため、客観的に物事をとらえ切れていない、ということです。

本来のロールプレイングは、主役(営業)と相手役(顧客)に加えて、オブザーバー(観察者)の存在が必要です。主役と相手役だけで行い、お互いオブザーバー役を果たすことになっているのでしょうが、本当は、主役と相手役は、その役に成り切ることで、緊迫した会話が成立します。そこでオブザーバー役の人が、観察者としてコメントをするのが一番よいと思います。

営業、顧客、観察者の3人で行うロールプレイングでは、この観察者が、双方のやり取りを見ているのですから一番勉強になります。ただ、ペア演習にくらべ、3人演習になると、順繰りに役割を交代することで、ケースを3つ用意しなければならず、時間も余分にかかりますが、習得度は高いものがあります。

できることなら、3人でなく4人チームにして、オブザーバー役を2名設けることも面白いかなと思います。この場合は、時間的に3人のケースと同じ時間でできますが、オブザーバーの役割を「商談の構成を評価する担当」「態度や印象、会話の巧拙を評価する担当」など、決めておくと更に効果が高まるのではないでしょうか。

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2010年4月12日 (月)

新卒社員の戸惑い

いまの新人さんは、社会人になるまでに、ご家庭だけでなく友達からも、尊重されて育ってきたように思えます。学生時代は、物理的にも、精神的にも制約がないところで、日々を過ごしてきたのでしょう。それが入社とともに制約がある世界に飛び込むのです。

会社には、いろいろと制約があります。学生時代は好き勝手やれたことも、会社では、これはやっちゃいけない、これは守らないといけない、といわれ、決して居心地のよい世界ではありません。頼りにしていた先輩も、ずっと付きっきりで面倒みてくれるのだと思っていたのに、あまりカマってもらえそうにありません。

「出来ないことを出来るようになるのが仕事」だといわれます。それを一所懸命「出来るようにすること」が伸びることになるのだそうです。仕事はバイト経験があるから、何とかなると思っていましたが、会社の仕事は、マニュアルがあるものは、ほとんどなく、一つ一つ考えて行動しなければなりません。

新卒社員と中途入社の違いは、マニュアルが「ある」「ない」の感覚だといわれます。確かに大抵のバイト経験は、ファーストフードや倉庫の棚卸作業のようなもので、マニュアルどおりにすれば、事が運んでいました。それが、急に「考えて行動する」ことが求められるのです。

仕事は与えられるものだと思っていたのに、マニュアルがない世界では、勇気をだして、人に聞きながら、考え、行動します。そこに戸惑いがあっても、失敗しても、許されるのは「新人の時だけ」です。このチャンスに行動を起こせるかどうかで、その人の成長が決まるような気がします。

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2010年4月 5日 (月)

今年の新人

今年も新しい仲間を迎え、新人研修が始まりました。入社式のあと、約一週間の導入研修があり、その後、配属予定先に振り分けられます。毎年のことながら、希望と不安に満ちた彼らをみていると、自分が入社したときのことを思いだされます。

最近は、ゆとり教育世代の新人として、「ゆとり社員は、自分の思いがかなわないと、仕事にやる気をなくしたり、また、言われたこと以外はできない、という傾向がある。」などと言われていますが、一方で、「ゆとり社員は、ITはもちろん、新しい情報を吸収する能力は高く、自分が興味を持った分野で、やる気になったときの集中力はすさまじいものがある。」といった優秀な面を持ち合わせています。

例年発表される日本生産性本部の「今年の新入社員のタイプ」では、平成22年度は「ETC型」だそうです。名づけの由来には、「性急に関係を築こうとすると直前まで心のバーが開かない」「IT活用に長けており、情報交換も積極的な面もあるが、人との直接的な対話がなくなるのが心配」とありました。

ゆとり社員を引き受けてくださる配属予定先の上司や先輩方にとって、今は理解できない彼らも、「理解しようとすれば、仕事のスマートさやIT活用の器用さなどのメリットも見えてくる」ので、なんでもかでも答えを教えて、性急に戦力に仕立てあげようとするのではなく、時には答えを考えさせる指示の出し方をするなど、「ゆとり」ある心をもって接していただき、永く活躍できるよう、うまく育てていただければ有り難いです。

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