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2009年9月 7日 (月)

匿名と匿顔

私たちは、毎日、多くの人と顔を合わせてコミュニケーションをしています。ただ、IT社会になってからは、メールでのやり取りが増え、匿名ではなく、顔が見えないコミュニケーションを余儀なくされる世の中になってきました。

もともと、匿名というのは、ラジオなどの「匿名希望さん」が、名前を伏せて応募してきたり、寄付などの社会的善行に使われることが手段でした。私たち研修の事後アンケートも、時として無記名にするのは、できるだけいい意見を得ようとの試みからおこなわれるもので、ほとんどの場合が、いい意味での「匿名」と理解していました。

ところが、IT社会では、個人の匿名性を保証することにより、個人のプライバシーが保護できるという利点がある一方で、匿名であることをよいことに悪事を助長しかねない一面もでてきました。匿名性の利点を生かした「告発」により、不正を暴露することで公にできる一方で、匿名であるのをよいことに、後で自分の責任を追及され危険がないので、他人を誹謗中傷する人が増えてきました。

インターネットの掲示板などで見受けられるのは、かなり過激に攻撃した書き込みなど、本質的な価値より、その話題が、自分の中にあるエモーション(情動)だけで、出来事の重さを量っているように思えます。これは、「匿名」でないというより、顔を見せないで、感情の赴くままに攻撃できる「匿顔」のなせる技だと思います。

コミュニケーションの手段は、表情を読み取りながらの意思伝達にあるのに、「匿顔」は偏った意思伝達の方法であり、ある意味、その人の内面の表れだとしたら、顔を見せるコミュニケーションでは、自分自身を隠しながら、みんな無理をしているのかも知れません。

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